「くそっ・・・」
宵が呟いて飛んだ。
キンッ
追ってきた宵の刀を弾いて士塚忍が体育館の壁を蹴る。
重力をカンジさせない身のこなしで向かいの小高い木の枝に飛び移った。
そこに宵も続く。
宵と刀の応酬をし、離れたトコロを他のヤツの手裏剣で狙われる。
けれど、どの得物も士塚忍を捉える事は出来ない。
「・・・すげ・・・」
隣で思わずと言ったように北斗が呟く。
傍で見ているだけで分かる。
力差が桁違いだ。
手習いをする子供とそれに付き合う大人くらいに
この圧倒的な数差にも関わらず、士塚忍は遊んでいるかのように余裕なのだ。


