「あの毒をマトモに呑んでたら・・・だろ?」
つまり美影は毒に気付いて呑まなかったらしい。
状況が分からなかったからひとまず呑んだフリをして傾れ、様子を伺っていた。
清香に気付かせないまでも周囲に荒河の一派が潜んでいて、美影はその隙をついてひとまず脱走し士塚忍に連絡をかけてきた。
途中で連絡を受けた士塚忍も勿論その時点で戻ってきた。
というわけだ。
くすっと美影が笑う。
「兄さんの格言です。『女には気を許すな。心どころか魂持ってかれるゾ』なぁんてね?」
それだけ言って立ちあがった。
「では来たついでですので僕は校内を一掃してきますね。とはいえここにいる奴らよりずっと雑魚ばっかだと思いますけど。ここはお任せいたします、兄さん。」
「あいあいさ~。」
ふっと美影が闇に消えた。


