「あらら、美影君、見殺したんだ?」 一清の微笑に士塚忍は笑っただけだ。 応えたのは 「まぁフツー弟よりカノジョ優先でしょーけどねぇ。」 落ちてきた声を辿って顔を上げると、 体育館のテラスの手すりに優雅に座っていたのは、 美影。 「・・・これはどーいうことかな?」 明らかに一清の声のトーンが下がった。 「こんなに早く戻って来れるハズない。というか、寧ろ、戻って来れる筈はナイんだけど。」