言い放った私に、宵の目が僅かに揺らいだ気がした。 だが、それも幻のように掻き消え、すぐさま決意の籠る冷徹な色を浮かべた。 「なら仕方がナイ、な。」 すっと宵の体が沈んだ。 「っ、美―――」 トンと軽い振動で私の手から刀が離れるまでほんの半拍。 宙で宵が刀を掴んだのと、 北斗が私を庇うように抱きしめたのがほんの一瞬の出来事。 ザンッ!!! 鋭い音を立てて刀が振り下ろされ、 そのほんの僅か先に、 私と北斗の前に黒い影が落ちたのがあっという間の事だった。