士塚忍は一族の誰も見捨てたりしねぇ。
だとしたら私も北斗を裏切り者なんかにゃさせねぇ。
そして私も。
コイツを助けるために裏切りモンになりました、なんて言うのは単なる自己満足だ。
そんならいっそ潔く闘ってやる。
「と、言うワケで北斗。悪いが私と死んでもらうぞ。」
「・・・の、バカ。」
呟いた北斗は泣き笑いみたいな顔で
「・・・姫様の命令ならいつでも覚悟はつけてやる。」
姫・・・な。
イイ響きじゃねーの。
だが、そんなコトを喜んでいる余韻もなかった。
周囲を取り巻いていた男達が一斉に飛びかかってきた。


