守ってあげちゃう


驚いて見開いた視界で、北斗は膝をつき肩を押さえていた。




「~~~毒矢、かよ・・・」

「その通り。」




場違いに柔らかな声音がして、振り向けば一清と宵がいた。





くそ。
北斗と話している間も周囲に気を張っていたのに・・・


それは北斗も同じだろうに、いつの間にそんなトコロまで間合いを詰めたのか。




二人に追髄するように荒河一族と思しき生徒が姿を現し、周囲を取り囲んだ。







「痺れ薬・・・だからまだ死なないからご安心を。」




一清がそう言っている間にも宵が一歩踏み出していて。






「ヤメロ、宵。北斗に近づくんじゃねぇ!」






駆け寄ろうとする私の腕が引っ張られた。






振り向けば、甘やかな一清の微笑。