無意識に口端を持ち上げていただろう私に、北斗が怪訝に眉を顰める。
「いや、なに。究極のピンチには違いねーけど、なんか色々分かってスッキリした。」
「意味分からん!」
んー、と私は顎に指を置いた。
「例えば、今日は珍しく士塚忍がいた意味とか。そいや架橋っつってたしな・・・」
「は?」
「アイツは遅かれ早かれ私が的にかけられんのを分かってたんだろ。」
だから、そこにいたんだ。
くすっと笑みが落ちる。
「だけど、そこは石清水の方が一枚上手だったか。士塚忍が残るのを見越して、そのタイミングで究極の切り札切ってきやがった。」
士塚忍は弟を・・・仲間を見殺しにしない。
石清水の読みは正しい。
だが、それだけじゃねぇんだ。
石清水は他の誰でもなく美影を的にしたんだ・・・


