守ってあげちゃう



徐に立ち上がった北斗は教室の窓から外へ顔を向けた。

口笛より細く遥かに甲高い音。




「なんだ?」

「鳥笛。」


そう言って広げられた掌には小さな銀の笛が転がっていた。




程なくして一羽のからすが飛んできた。




「伝書鳩ならぬ伝書からす。一人一匹以上こう言った使役動物手懐けてんだ。」


「ふーん。士塚忍も持ってんのか?アイツが動物と戯れてるトコロなんざ見たコトねーが。」







戯れてなんかねーよ、と北斗が口を尖らせつつ、続けた。







「何でか知らんけど、アイツだけは持ってねーんだ。使役獣を持つことは一族でも必須要項なのにな。」



だけど、と更に顔を顰めて続けた。






「ヤツは一族の使役獣を扱えるんだとか・・・まぁ、デマだろうけどな。使役獣は主にしか懐かないように調教してるし。」