士塚忍が壁時計を見上げて「あ」と声を上げる。
「今日のきゅーりょーくれーっ」
「・・・給料って・・・後たかが二時間しかねぇじゃないか。」
かなりコスイ奴・・・
呆れつつ、ポケットに丁度入っていた五百円玉を投げてやる。
フリスビー犬みたいにそれを上手にキャッチした士塚忍が、きらっきらっと目を輝かせる。
「やたっ!これで晩飯にありつけるぅ~。」
「・・・なんだ。オマエ、腹減ってんのか?」
「イエス!カップラーメンにお湯を注いだトコロで、契約決まったって叩きだされた。ヒドクねー?」
はぁっと溜息が洩れる。
「飯・・・多分、台所行きゃ何かあると思うから、行くか?」
「マジ!?賄い付き!?もうどこまでもアナタについて行きますっ、お嬢様、ご主人様、お姫様~っ!」
・・・安っ。
でも、清々しい程の軽さもまた素直でカワイイ。
・・・て、
私の嗜好も相当腐ってる・・・。


