私はすっと視線を上げた。 無意識にも甘やかな微笑を浮かべる男を睨む目が険しくなる。 「・・・・オマエ、清香に毒を盛らせたのか?」 えっと隣で北斗が驚いて私を見る。 「アイツがそんなヘマするヤツとは思えねぇ。もし気を抜いてたんだとしたら、清香相手しかねぇだろ。」 一清がクスクスと笑う。 「お姫様は思った以上に、頭が切れますね。口は悪いけど。」 「・・・てめ」 「でも勘違いしないでね?清香は毒の存在は何も知らなかった。ただ、清香の渡したモノに毒が仕込まれていたってだけの話なんだよ。」