そんなことを思いつつ、私は学食に顔を戻した。
スプーンに掬ったオムライスをじっと見つめ、口に入れて味わう。
・・・うーん。
「なぁ、こんなもんに入ってる微量の薬の類なんて分かるモンなのか?」
「んー・・・・」
私の質問に微妙な顔をする北斗。
くすっと笑い声が聞こえて顔を上げる。
「忍は舌が肥えてるからね。まぁ、よっぽど気にかけてなきゃ、気付かないかもしれないけど・・・」
なるほど。
気付くってコトは、士塚忍は舌が肥えてるだけじゃなく、いつも気を張ってるってわけか。
じゃあ、美影はよっぽど舌が肥えてなかったか、気を緩めてたってことか・・・
次期頭首候補として名が上がるほどのアイツが、か?


