「アンタ、ひょっとして荒川宵に惚れてんのか?」
それは成績表を見終えて、教室へ向かう時。
私はやや後ろを歩く北斗をしみじみと見やった。
「また、唐突に素っ頓狂な思いつきを口にするもんだな、反抗期ほっくんよ・・・」
「なっ!!!誰が反抗期ダ!しかもオマエにほっくん呼ばわりされる筋合いはナイ!!」
北斗がちっと舌打ちする。
「てか、個人的にはオマエがどこの誰とどーであろうと関係ねーけどな。だが、士塚一族として見過ごすわけにはいかねぇ。」
「そーかい。・・・色恋沙汰じゃねぇが、トモダチだったんだ。尤も、そう思ってたのは私だけだったけどな。」
まんまと騙された自分を思い出し、思わず苦笑してそう言った。
「まぁ、二度と騙される気はナイから、安心しろ。」


