「・・・・は?時給?」
「・・・・いや、日給・・・しかも先ほど値切られて五百円になった。」
フザケンナーッ!と叫んだ士塚忍が私の携帯を引っ手繰っていく。
「てんめー、ミカゲ!なんで俺っちがそんな安売りされんだよっ、アリエネェだろ!どーんと一千万くらい要求しやがれっ!!」
・・・一千万とか・・・それじゃ身代金だ。
そうっと近づくと、電話口から落ちついた声が受け応えるのが聞こえた。
『あ?そーいうセリフはまともに仕事出来てから言って下さい。毎回、何かしら失敗して直ぐ首になるくせに・・・・
万年出戻り野郎が。』
穏やかな声だが、全然穏やかに聞こえないのが怖い。


