「・・・おい、美姫。」
「なんだ。」
「オマエはどうしたいんだ。」
私は背後を見ないで応えた。
「私はコイツと一緒にいることにする。それが吉と出るか凶とでるかは分からんが・・・
少なくともコイツは、私に居場所をくれるらしいからな。」
家に居場所はない。
学校にもない。
私が鮫島の血を引いているという現実が、世間から私を迫害する。
だったら、私は迷わん。
居場所をくれるという士塚忍と一緒にいる。
ヤツの隣の席を用意してくれたと嘯く男と―――
「・・・そうか。」
太刀をおさめた兄は踵を返しソファーにドカリと腰を落とした。
「好きにしろ。」


