守ってあげちゃう


ブンッと風を切って振り落とされた刀を士塚忍がギャーと叫んで避ける。





「避けんな!!!」


「避けなきゃ死んじゃう!!!」




ゴキブリのように這い回って逃げていた士塚忍がとうとう壁に追い詰められた。



般若のように見下ろす兄に、士塚忍がちょっと待ってヨ、と手を振る。







「いいじゃないっすかぁ。だってここに姫の居場所ないんでしょーよ。」







振りかぶった兄の太刀がピクリと止まった。