あれは・・・ 糸? 僅かに体を動かせば、月明かりに細い線がキラリと光って見える。 まるでスパイ映画でお宝部屋に巡らされた赤外線レーダーみたいに宵を囲んで自由を奪っている。 ぎゃっはっはっは、と士塚忍が高笑い。 「まー、爆発することもないから、じっくり抜け出てくだせぇ!俺達はその間にお暇させていただきまっさ~♪」 んじゃ!と言って士塚忍が徐に私の腰に腕を回し、いきなり走りだした。 「んな!?」