困惑している私を余所に男は立ち上がった。 兄と取引をするために、私の見張りを若い連中に任せて部屋を出て行った。 ・・・どうしたこった。 士塚忍が分からなくなった。 アイツ・・・ひょっとして何かに勘付いて密かに私を守ってくれてたとか・・・? ・・・・・・・。 万が一、そうであっても、普段のアノ態度を見る限り素直に納得出来ねぇ・・・。 ・・・でも、ひょっとしたらそうなのか? ・・・いや、やっぱ単なる偶然かも・・・。