守ってあげちゃう


私達が連れてこられたのはどこかのすたれた雑居ビルのようだ。




宵とは別れて部屋に入れられた。




男達はどうやらどこかの組のヤツラらしいが、仕事で兄に取引先を乗っ取られて、その所為で組での立場が危うくなっているらしい。



私を盾に兄を脅し仕事から手を引かせる事で名誉挽回を計るつもりのようだ。











リーダーらしきオッサンがニヤニヤと胸糞の悪い笑みで私を覗く。







「なぁに、取引が済めば無事に帰してやるさ。」







「これから先も同じ場所で凌ぎを削ってかなきゃならないのなら、兄を必要以上に怒らせるのは得策じゃないからな・・・・。」








「まぁ、仕事を邪魔された時にゃ、腹いせにオマエをぶっ殺そうかと思わんでもなかったが・・・」





「ふん。そんな度胸はなかったか。」











虚勢を張ってそう言った私に、男は忌々しげに舌打ちした。