宵と他愛無い話をしながら歩いていた時だ。
バラバラバラ
後ろからいきなり荒い足音が近づいて来たと思ったら、あっという間もなく人相の悪い男共に囲まれた。
チッ・・・また恒例のヤツラかよ。
詰め寄ってきた男どもを反射的に蹴り飛ばして・・・・
はっとした。
「そこまでだ。」
「っ・・・・宵!」
敵も私に敵わないコトは分かっていたのだろう。
私に攻撃する傍ら、宵を取り押さえていた。
宵の口元に出来た痛々しい痣に、拳から力が抜けた。
「・・・好きにしろ。」
私が吐き捨てるようにそう言うと、男共はニヤリと笑って、宵と私を傍に置いてあった車の中に押し込めた。


