(傍目には)いちゃつく士塚忍と清香を眼前に眺めながら、隣を歩くニコニコ顔の美影に尋ねる。
「昨日はあれからどうなったんだ。大丈夫かよ。」
「心配ご無用ですよ。ヘンな男達が数日うろついているのは知ってましたから、注意は払ってたんです。」
ペロッと明かされた暴露話に米神を抑えた。
「ってコトは、お前等兄弟、契約交わすために清香を助けもしないで時を待ってたのかよ?」
ぎくっと美影が肩を竦める。
「まーさかぁ~そーんな非道なぁことはー致しませぇんよー?」
「メチャクチャ動揺してんじゃねぇかよ・・・。」
私は呆れて溜息を吐いた。
「上手くおさまったから良いモノの、ヘタすりゃ大切なお嬢様に傷が付くトコロだったんだぞ。」
「まさか。」
美影の口端がすっと持ち上がった。