放課後は、秘密の時間…

「――にしても、見つかんないな~」


ゲーセンを出て、手を繋ぎながら歩いてると、市川君が呟いた。


「何か探してるの?」

「先生の誕生日プレゼントだよ。このままじゃ、そのウサギがプレゼントになっちゃうじゃん」


え……?

それの、何がダメなの?


「ウサギ、三匹もいるんだよ?ソフトクリームも買ってもらったし、プリクラだって撮って……あたし、もう十分だよ?」

「ダメだって。俺が納得できない」

「でも、本当に……」

「次行くよ、先生」

「は、はいっ」



――やってきたのは、通りからは少し離れた雑貨屋さん。

小さな店内を埋め尽くすように、小物やアクセサリーがところせましと置かれてる。


その中で、あたしの目にとまったもの。


「あ……」


小さなハートとお花が沢山ついた、携帯ストラップ。

ハートに埋め込まれた透明なガラスは、光に反射して、虹色にキラキラしてる。


カワイー……ちょっと欲しいかも。

実習も終わったことだし、たまには自分へのご褒美に買っちゃおっかな……?


「――先生、これが欲しいの?」