放課後は、秘密の時間…

その後、UFOキャッチャーのコーナーに行って、


「先生、欲しいぬいぐるみある?」

「欲しいの?あ、あのピンクのウサギさんかな?ふわふわしてて……なんだかカワイイ」

「任せてよ」


頷いた市川君は、あっという間にウサギさんを吊り上げた。


「ハイ、あげる」

「わぁ……ありがとー……あは、やっぱりカワイイ。手触り、すっごいいいよ」

「色違いで白と茶色もあるね。――先生、ちょっと待ってて」

「え……?ま、まさか全部、とるつもり?そんなの無理だよっ」


大きさだって結構あるし、茶色のなんて、なんか変な方向に傾いてるよ?

一匹とってくれただけでも、あたし、満足だよっ。


「昔から、これだけは得意なんだよ。なんでかわかんないけどさ」


まぁ見てて、と小銭を入れて、器用にクレーンを操る市川君。

ついには、一回も失敗しないまま、他の2匹も取っちゃったんだ。


「すご……」


ここまで来ると、嬉しさを通り越して、感動しちゃう。

まさに……神業っ?


「ホントにありがとっ……。どこに飾ろうかな?三匹とも、並べたほうがカワイイかな?悩んじゃう……」

「ははっ。喜んでもらえてよかった」


市川君が初めてあたしにくれた、プレゼントだもん。

絶対、大切にしよ……