放課後は、秘密の時間…

ソフト、一個しか買ってないよね?

あたしばっかり食べちゃって、いいのかな?


「俺?――ああ、俺も食べるよ」


コーンを持ってるあたしの手ごと、市川君の手が掴んで――


「こうして、先生から貰うから」


小さく屈むと、ソフトクリームをの先っぽを舌でペロリと絡め取った。


きゃ、きゃあああっ……

今の……今の不意打ちはズルイよっ!


「うん、抹茶なら甘さ控えめでうまいね」

「……い、市川君っ。こんな、人が沢山いるの、に……」

「誰にも見えないように、俺が影になってるから、だいじょーぶ」

「そういう、問題、じゃ……」

「ていうか、実はコレがやりたくて、カップじゃなくてコーンにしたんだけど」


全部、計算済み?

心臓、まだドキドキいってるよぉ……


「舌、緑色になるかな?なったら、先生とおそろいだね」


あたしの悩んでることなんて、全部お見通しなんだ。

そんな風に言われたら、おそろいにしたくなっちゃうじゃない……


「先生、食べたら?じゃなきゃ、俺、また同じことするよ――そうだ、今度は先生の口から食べようかな?」

「い、市川君っ!」

「ははは、冗談だってば!」