放課後は、秘密の時間…

「あ、ソフトクリーム……」


途中で目についたカラフルな看板には、バニラ、チョコの他に、抹茶味って書いてある。

実はあたし、抹茶が大好きなんだよね……


うー……食べたい!


でも、抹茶のソフトクリームって、食べたら唇と舌が緑色になっちゃうよね?

そんな緑星人みたいな姿、市川君に見せらんないよ……


「センセ?ソフトクリーム食いたいの?」

「あ、ううんっ……あはは、おいしそうだなって……」

「じゃあ食べようよ?おごるし」

「へっ?ちょっ……」


止める間もないまま、市川君がお店の前まであたしを引っ張ってく。


「――すみません、抹茶ソフト一つ。あ、コーンの方で」

「かしこまりました。250円になりまーす」


お財布から小銭を取り出して、お会計してる市川君。

くるくる巻かれた抹茶ソフトを受け取ると、「ハイ」とあたしに差し出した。


「あ、ありがと……」

「食べないの?早くしないと、溶けるよ?」

「……ど、どうして抹茶にしたの?ソフトクリーム、他にも種類あったじゃない?」

「だって先生、抹茶ばっか見てんだもん。好きなの分かるって」


あたし、そんなにじーっと睨んでたのかな……

また変なトコ、見せちゃった……


「ねぇ、市川君の分は?」