放課後は、秘密の時間…

手を繋いだまま、いくつかの駅を通り過ぎて……

その間、たわいもないことで、笑いあって。


市川君といると、ヒマを感じる瞬間は一秒だってないんだ。


……初めて出会った時から、そうだった。

いつだって市川君は、あたしの心の中にいたんだから……




「――先生、ほら、早く」

「あっ……待って待ってっ」


改札を抜けて通りに出ると、市川君はぐいぐいあたしの手を引っ張ってく。

と思ったら、パッと手を離して、逆の手を差し出した。


「先生、やっぱこっちの手、繋ご?」

「?」

「いいから、手出して」

「うん?」

「はい、完了」


繋ぐ手を交換すると、あたし達の立ち位置も同じように反対になる。


あ、もしかして……

あたしが車道側にならないようにしてくれた?


わ、わわ……

こんな風に女の子扱いされると、くすぐったいよっ。


こういうさりげない気遣いって、こんなに嬉しいものなんだ。

それとも、市川君にされたから、かな?