放課後は、秘密の時間…

――ガタン……ガタン……


車内に響く、線路を走る音。

窓の向こう側、あっという間に景色が流れていく。


今、あたし達は電車の中。

二人がけの席に、寄り添って座ってる。


「市川君……ごめんね……」

「だから、何で先生が謝んの?」

「だって……あたしのせいで、遠出することになっちゃって……」

「先生のせいじゃないよ。すべてはあの、手引きとやらのせいだろ」



――あたしが部屋に戻って見つけた小冊子、『教育実習の手引き』。


そこに書かれていた遵守事項……

つまり、きまりごとには、生徒との個人的接触を避けること、っていうものがあった。


市川君は、あたしの彼氏だけど……

やっぱり、紛れもなく「生徒」でもあるんだ。


あたし達が付き合ってることがバレたりしたら、大変なことになる。

だから、この関係は、「秘密」のままってことになったんだよね。



そして、その結果が、


「仕方ないじゃん。二人で町なんかうろついたら、学校のヤツラに会っちまうかもしんねぇし」

「……だよね……」


こうして、遠出デートってことになったの。