放課後は、秘密の時間…

「――先生……」


まるで、宝物を手にした子どもみたいに、拓真が呟く。

あかりちゃんをきつく抱きしめて、一歩も動こうとしない。


あーあー……

あかりちゃん、真っ赤な顔しちゃって。


でも、ここで声でもかけて邪魔したら、拓真に何言われるかわかんねぇし。

今は他人のフリをするに限る!


「じゃね、あかりちゃん」


オレは口だけ動かして、あかりちゃんに手を振った。



とりあえず駅を出て、向かう場所は決めずに歩き出す。


拓真とあかりちゃん。

二人とも、今頃うまくいってんのかな~?


いってるよなぁ、あの様子じゃ。


はぁぁー……

考えたら、嬉しさよりも段々虚しくなってきた。


オレも、拓真みたいに、本気になれるような恋してーよ……


「……帰ろ……」


曇り空に、そんなオレの呟きは消えていった。


将来、オレの恋人になる人。

出来れば、早くオレの前に現れてくれ……



――END――