放課後は、秘密の時間…

「……で、も……」

「あの写メ、校長とか教頭が見たら、すげー騒ぎになるんじゃない?前代未聞だよな。実習生と生徒の関係なんてさぁ」


想像しただけで、怖くなってくる。


どうしよう、そんなことになったら……


いくらあたしが先生方に事情を説明して、否定したとしても……

市川君の言葉一つで、あたしの未来は簡単に変わってしまう。


市川君は、職員室の先生方にも優等生って言われてるほど、信頼があるし……

もしかしたら、あたしの言葉を信じてくれる人なんて、誰もいないかもしれない。


そしたら、あたしは教師になんかきっと一生なれないし、大学にも連絡が行って。


まさか、退学……?

やだ、怖い……


考えると、悪いことばかりが次々に連鎖して、


「ほらね?先生は、俺に逆らえない」


あたしの考えを見通してるみたいに、市川君が笑った。


伸ばされた彼の大きな手が、あたしの頬を撫でる。

まるで電流が走ったみたいに、身体が震えて。


「大丈夫、そんな顔しないで。先生が俺の言う通りにしてくれたら、秘密にしておくから」

「いち…かわ、君……」

「そうだなぁ……まず、俺のこと拓真って呼んでよ?市川君って呼んだら、キスするからね」

「そんなっ、」

「決定」