放課後は、秘密の時間…

「――で、結局、二宮とどうなったんだよ?落とした?」


放課後の教室で、俺はいつものメンバーに囲まれていた。

話題は、先生を落としたかどうかっていう、例の賭けのこと。


こいつらに言われるまで、すっかりその存在を忘れてた俺。

元々、やってるつもりなんかなかったし。


つーか、こんな話で、先生の名前、出して欲しくねぇ。


「ああ……」


ハッキリ言わねぇと、こいつらには通じねぇよな。


「――それなんだけどさ、賭けは俺の負け」

「はっ?」

「月曜の学食、俺のおごりってことで」

「マジかよ?お前でも、落とせなかったの?」


落としたっていうか……むしろ、俺が落ちたんだけど。


なんていえるハズもなく、どう答えようか考えていると、教室のドアが開いて圭が歩いてきた。

俺の顔を見て、思い出したように、


「あ、そうそう、拓真。さっき、あかりちゃんと会ったんだけどさ。拓真に、美術係お疲れ、さよなら元気でね、って言ってたよ」


圭の言った彼女の伝言を、俺はたいして意味もなく受け止めていた。

ただの、実習が終わった挨拶なんだと。


――まさか、それが本心から告げた別れの言葉だったなんて……

思いもしなかったんだ。