『先生のことはすげー好きだけど。好きだから、大切にしたいっつーかさ、とにかく今日は我慢する』


なんて、市川君に昨日言われて……


恥ずかしかったけど、なんだかすごく嬉くて。

思い出すと、自然と顔が緩んじゃう。


あの時の市川君の、ちょっと照れた表情はすごくカワイかった。

市川君はもちろん、そんなこと言えないけど。


「何一人で笑ってんの?」

「ナイショ!」

「まぁいいけど?とにかく、プレゼント一緒に買いに行こう」

「でも、服は?」

「俺のじゃ……ダメだよな」

「市川君の服なんて、大き過ぎるよぅ」


昨日借りたジャージだってぶかぶかで、手足の先は完全に埋もれてたし。

引きずらないようにって、すそを何回も折って着たくらいなのに。


「ていうか、あんなカワイイ先生、俺が他の男に見せたくない」

「へ?」

「いや、こっちの話。じゃあ、一度先生の家戻って着替えよ」

「あたしの……家!?」

「そう、今から。準備できたら行くよ」


どうやら、市川君は、あたしが何と言おうとひかないらしい。

絶対プレゼントを買うって、言い張ってる。


そのまま、彼に押されて、あたしは自宅へと戻ることになったんだ。