――その後。

あたし達がどうなったかと言うと――……



次の日の日曜日。


「聞いてねーよ、先生の誕生日が今日だなんて!」


市川君のそんな叫びが、部屋中に響いた。

あたしの肩を両手で掴んで、


「何で教えてくんなかったの?……もっと早く言ってくれたら、何か用意したのに」


最後の方はあたしに向かって話してるっていうよりも、市川君の独り言みたいだ。


「ねぇ先生?」

「い、いいの。あたし、こうして一緒にいられるだけで、嬉しいし……」


市川君と想いが通じ合ってるってだけで、すごく幸せな気持ちなんだよ?

だから、これで十分。


と、思ってたけど……

市川君はそうじゃないみたいで、すぐに否定した。


「そんなん俺がヤダ。先生、これから何か買いに行こう?」

「でも、あたし、昨日と同じ服だよ」


そうなんだ。

あたし、昨日は市川君の部屋に、そのまま泊まっちゃったんだよね。


って言っても、手を繋いで、彼のベッドで一緒に眠っただけ。

他は、何にもしてないんだけど。