放課後は、秘密の時間…

向かった先は、すぐ近くの駅。

休日のせいか、改札口付近は、沢山の人で混雑していた。


「大也、電車乗るの?」

「うん」


頷きながら、券売機で二枚の切符を買う大也。


電車に乗るってことは、結構、遠出するのかな?

でも、明日は休みだし……それでもいいや。


また、あの一人の部屋に戻るのは、今は辛いから。


大也と一緒にいると、やっぱり安心する。


それはきっと、恋とは違う気持ちなのかもしれないけど……

でも、穏やかな気持ちでいられる。


傍にいると、不安なことも消えて行くんだ。

こうしていると、市川君のことも、思い出さないでいられるし……


「一応聞いとくけど、お前、明日何もねぇか?」

「平気。実習終わったばっかりだし、予定なんか何もないよ」

「そうか。良かった」


やっぱり、ちょっと遠いところに行くのかな……?


「じゃ、行こう」


頷いて、改札を通ろうとした時――……


「――先生っ!!」