放課後は、秘密の時間…

「正直、あかりが……あいつとうまくいってないって知って、すげー喜んでるし」

「………」

「こうして一緒にいんのは、弱ってるお前一人にしておけないってのもあるけど、それだけじゃない」


一度言葉を切って、大也は小さく息を吸った。


「今、やり直せるチャンスだって、思ってるから」

「大也……」

「な?俺、結構卑怯者だろ?」

「そんなこと、言わなきゃわかんないのに」


ニッと笑った大也に、あたしも自然と笑顔になる。


「やーっと笑ったな」

「え?」

「お前、笑ってる方がいいって」


もしかして、今の話は、あたしを笑わせようとして……?


「よし、行き先決めた。ほら、行こう」

「……どこ?」

「行ってからのお楽しみってことで。それまで涙はとっとけ」


あたし、今も泣きそうだよ……?


でもそれは、きっと市川君のことだけじゃない。

どこまでも大也が優しいからだ。


「……んとに、ありがと……」


涙声で言ったお礼に、大也はただ、笑顔で頷いてくれた。