放課後は、秘密の時間…

この優しさに……

今まであたしは、何度も助けられてきたんだ。


「ほら、突っ立ってないで。いいから、来い」


少し強引な言葉は、照れ隠しのせいだって分かってる。

溢れそうになった涙を堪えて、あたしは大也に手を引かれるまま歩いた。



――本当は……

あんなことがあって、一人でいたくなかった。


だから、大也がこうして傍にいてくれて……

どこかで、安心してるあたしもいる。


ずるいことだって、十分、分かってるけど……



あたしの手を握ってる大也の手は、温かくて、そんなことにさえ涙が出そうになってくる。

誰かの温もりが、こんなに心を支えてくれるものだったなんて、知らなかった。


「……大也……」

「んー?」

「……ありが、と……」

「何礼なんか言ってんだよ?俺ら、まだ別れてねぇし。このくらい、当然だって」


三年間、一緒にいて。

大也はきっと、あたしのことを、あたし以上にわかってくれてる。


「それにさ、俺はお前が思ってるようなヤツじゃねぇよ」


どこか悲しげな響きを含んだ言葉に、あたしは思わず大也を見つめた。