『先生の料理、本当ウマイ』

『ホントかわいすぎ』


こんなに苦しいのに……

どうして、楽しいことばかり、思い出しちゃうの?


『先生が俺のものになったって、実感してるから』


ずっと、あたしの反応見て、楽しんでた?


『本当に好きだから……いくらでも待てる』


嘘だ――……


『先生が好きです』


そんなの、嘘だったくせに。


胸が痛い。

溢れ出した涙が、ぽろぽろこぼれていく。


これ以上、彼と一緒にいられない。


同じ気持ちじゃないのに……

本当のことを、知ってしまったのに。


あたしは、市川君をこんなに好きなのに――


一緒にいられるわけない。


もう、市川君には二度と会えない。


二度と――……