「お疲れ様でした。お先に失礼します」
残ってる先生方に挨拶をして、あたしは職員室を出た。
廊下を通り抜けて、職員玄関から一歩出た瞬間、大きなため息がこぼれていく。
――結局、あのあと。
職員室に戻ったと同時に、「明日授業やってもらうから」なんて、指導教官の谷村先生に突然言われて。
市川君とのことを言うタイミングを、完全に逃しちゃったんだ。
……それに。
やっぱりあんなこと、誰にも言えないよ……
心の中に広がっていく、重い気分。
こんな風に不安になったり、泣き出しそうになったりしたときに会いたくなるのは、ただ一人。
大也……
カバンの奥に入ってる携帯電話を取り出して、とりあえず電源を入れた。
時間は、8時をちょうど過ぎた頃。
あたしと同じように教師を目指して、今は他校で実習をしてる大也。
きっと、始まったばかりの実習で忙しいよね?
まだ家に帰ってない可能性だってある。
電話なんかかけたら迷惑かな……
でも、大也の声が聞きたいよ。
どうすることもできなくて、歩きながら携帯電話を見つめていると、突然、それが手の中で振動した。
『着信中 大也』
残ってる先生方に挨拶をして、あたしは職員室を出た。
廊下を通り抜けて、職員玄関から一歩出た瞬間、大きなため息がこぼれていく。
――結局、あのあと。
職員室に戻ったと同時に、「明日授業やってもらうから」なんて、指導教官の谷村先生に突然言われて。
市川君とのことを言うタイミングを、完全に逃しちゃったんだ。
……それに。
やっぱりあんなこと、誰にも言えないよ……
心の中に広がっていく、重い気分。
こんな風に不安になったり、泣き出しそうになったりしたときに会いたくなるのは、ただ一人。
大也……
カバンの奥に入ってる携帯電話を取り出して、とりあえず電源を入れた。
時間は、8時をちょうど過ぎた頃。
あたしと同じように教師を目指して、今は他校で実習をしてる大也。
きっと、始まったばかりの実習で忙しいよね?
まだ家に帰ってない可能性だってある。
電話なんかかけたら迷惑かな……
でも、大也の声が聞きたいよ。
どうすることもできなくて、歩きながら携帯電話を見つめていると、突然、それが手の中で振動した。
『着信中 大也』

