あたしが大也を、こんなに苦しませてるんだ……


「……ごめん……ごめんね……」

「謝っても、許さねぇ」


……わかってる。

こんなに大也を傷つけて、許して欲しいなんて、そんなこと思ってない。


「俺から離れるのなんて、許さねぇから」

「――でも、あたしは、」

「好きじゃなくてもいい。俺がお前を好きだから」

「……大也……」

「時間はかかるかもしれない。でも、絶対前みたいに戻れるはずだから」


それじゃ、大也が幸せになれないよ。


市川君に対するこの想いを忘れられない限り、大也を傷付ける。

きっと、何度も、何度も。


その度に、あたしは大也のこんな姿を見るの?

そんなの、耐えられないよ……


それに、こんなことになって、この先上手くいくとは思えない。

絶対いつか、今日のことを思い出して、二人とも苦しむ日が来る。


一度壊れてしまったものは、もう元には戻らないんだ。

残された選択肢なんか、一つしかない。


このまま、二人でいることが出来ないのなら……


「――別れよう……」