ビビ―――ッ!!


目覚まし時計のそんな音で、あたしはパッと目を開けた。

視界に入ったのは、真っ白な天井。


大也も市川君も、どこにもいない。


「……ゆ……夢……?」


頬には涙の跡が残っていて、額は汗でビッショリと濡れてる。


「そっか、夢だったんだぁ……」


いつもは、夢なんか見ないほど熟睡するのに。

今日のはなんか……随分リアルだった。


未だにドキドキしてる心臓が、あたしが動揺してることを表してる。


深呼吸をしながら気持ちを静めていると、


PIPIPIPIPI……


今度は携帯電話が鳴り響いた。

ディスプレイには、


『着信中 大也』


大也っ!?

な、何でこんなタイミングでかかってくるのよぉ?


「も……もしもし?」

『あかり、俺。今日……つーか、今、暇?』

「え、うん?特に用事はないけど……」

『これから、家行っていい?』