「あかりは俺のこと、好きじゃなかったんだな」

「違うっ!あたしは大也のこと、」

「じゃあ、これは何なんだよ!?」


首元のキスマークに触れて、大也が声を荒げた。


「絶対許さねぇから」

「……だい、や……」

「相手はどんなヤツだよ、なぁ?」

「これは……違う、の……」

「違わねぇだろ?こんなところに、こんな痕残して」

「……っ……」

「そいつと何やってたんだよ!?俺がいない間に!」


すごい力で手首を握りしめられているのに、不思議と痛みは感じない。

あたしの目からは、涙がぽろぽろこぼれていた。


「答えろよ?」

「………」

「――先生を放せ」


後方から聞こえた声。


振り返ると、市川君が険しい顔で立っていた。

あたしの片手を引いて、市川君は、もう一度大也に向かって強く言った。


「放せっつってんだろ」

「誰だよお前?お前こそ放せよ」


あたしを挟みながら、睨み合った二人。

今にも殴り合いを始めるんじゃないかって思うほど、ピリピリした空気が流れてる。


そのとき――……