「市川君……何、言ってる、の?」
「何って、告白?」
「か、からかうのはやめてよっ!!」
掴まれた手を思い切り振り払おうとしたのに、その力は少しも緩まずにあたしを堅く押さえたまま。
それどころか。
彼はあたしの両手首をひとくくりにして、今度は片手だけで押さえつけた。
「からかってなんかないよ」
「冗談っ……」
「だから、冗談でもない」
市川君が何かを話すたびに、暖かい息があたしの顔にかかる。
彼の甘い香水の香りが移るんじゃないかってくらい、あたし達は至近距離で。
こんなとこ、誰かに見られでもしたら――
そう、だ……谷村先生っ!
あたし達を呼んだ谷村先生が、もうすぐここに来ちゃうっ!
「放してよ!谷村先生に見られたらどうなるかっ……」
「嘘だよ」
「え……?」
「だから、さ」
ニッと口の端を上げて、市川君は呆然としてるあたしに続けた。
「ぜーんぶ、嘘。谷村が呼んでるってのも、俺が頼まれたってのも」
「……何でそんなこと……」
「何でって、わかりきったこと聞かないでよ。先生と二人きりになりたいからに決まってんじゃん」
「何って、告白?」
「か、からかうのはやめてよっ!!」
掴まれた手を思い切り振り払おうとしたのに、その力は少しも緩まずにあたしを堅く押さえたまま。
それどころか。
彼はあたしの両手首をひとくくりにして、今度は片手だけで押さえつけた。
「からかってなんかないよ」
「冗談っ……」
「だから、冗談でもない」
市川君が何かを話すたびに、暖かい息があたしの顔にかかる。
彼の甘い香水の香りが移るんじゃないかってくらい、あたし達は至近距離で。
こんなとこ、誰かに見られでもしたら――
そう、だ……谷村先生っ!
あたし達を呼んだ谷村先生が、もうすぐここに来ちゃうっ!
「放してよ!谷村先生に見られたらどうなるかっ……」
「嘘だよ」
「え……?」
「だから、さ」
ニッと口の端を上げて、市川君は呆然としてるあたしに続けた。
「ぜーんぶ、嘘。谷村が呼んでるってのも、俺が頼まれたってのも」
「……何でそんなこと……」
「何でって、わかりきったこと聞かないでよ。先生と二人きりになりたいからに決まってんじゃん」

