「珍しいからだろ」 「珍しい? 何が?」 「媚びない女が」 そう言って忍もタバコに火をつけて 吸い始めた。 「ふーん…」 媚びない女…か…。 「それより萌依。お前、昨日、大人しく寮にいたそうだな?少しは成長したみたいだな」 「うるせぇな。昨日はいろいろあったんだよ」 「いろいろって?」 「いろいろは、いろいろだよ」 「ふーん…」 聞いて来たわりには深く聞いて来ない。 『言いたくない』と、 感じ取ってくれる。 それが、忍の、 あたしが知る唯一の長所。