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翌朝
「沙優様、手が進まないみたいですけど…体調が優れないのですか?」
あれから、太陽がのぼりはじめて少し時間がたってから、サイさんが朝食を持って部屋を訪ねて来てくれた
テーブルには、パンとスクランブルエッグ、サラダにハムが並べられ、紅茶を差し出し、手にフォークを持ったままで食べようとしない私にサイさんはそう言う
「…ぃぇ…」
小さく囁くように言う私はまだ夜にあった出来事で頭をしめていた
何を思うとか、そんなんじゃなくて
あの事が、色々な意味で頭から離れなくて…何かを口にする気力さえも失っていた
「そうですか…ならいいなですが、身体は大事になさって下さい」
そう言うとクローゼットから薄目の毛布を取り出して、私の身体にそっとかけてくれる
「…あ、ありがとう、ございます」
「いえ、ごゆっくり少しでもいいので食べて下さい。全く食べないのは身体に悪いですから」
そう言い、私の横にたちナイフとももを取り出す
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