どんだけ苦労してるんだろうか…神様の世界は分からないけど…



「えっと」


そっと、一葉さんに近づき私もしゃがみ込み彼の背中に触れる


「そんなに、落ち込まないで下さい」


「……は?」


頭を抱えていた手をおろし驚いたような顔で私をみてその目付きが細められる


「誰のせいだと思っているんですか!沙優様がハラハラさせるような事をするからいけないんです!」


「うっ」


ま、まぁ…確かに叩いたのは私で…そのことで一葉さんはこんなに取り乱してるわけだけど…


「なら、あの時、助けてくれたら良かったじゃないですか!目が合ったのに…」


そうだよ。叩いたのだって一葉さんが見て見ぬフリをしたのも原因だ


「何を言うのです。あなたを助ける義務は私にはありません。だいたい扇李がやると言う事を止めるなど従者である私が出来ると思ってるんですか?」


「それは…」


出来ない、だろう。


下のものが上の者に従うのは当たり前の事だから…


「全く、頭が痛いです。なぜ私を悩ませる原因を作った本人に慰められなくちゃいけないんですか」


「…………」



そう言うとしゃがみ込んだ体勢のまま、私の手を軽く払いのけ再びため息をつきながら私に視線を移した



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