サイさんが用意してくれた着物は、明るい薄紫色に花柄の着物


今まで、見た事がないくらい綺麗な着物に見とれながらも私は必死にそれを着て外に出ると…








壁に寄りかかっていたサイさんが、私の姿をみてニコリと笑う



「お似合いです。沙優様」


「そ、そうですか?」


「はい。着方もお上手です」


「あ、ありがとう、ございます」


どうしよう。誉めてもらっちゃった…嬉しい過ぎる!


つい緩んでしまう頬を必死におさえるとサイさんは笑顔のまま私に片手を差し出して来た



「では、私服の方は私が荷物とご一緒にお預かり致しますので、沙優様は王の間にお進み下さい」


そう言い、サイさんは廊下の一番奥を手全体でさしてから私に視線を合わせる



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