「そうなのか?」


「…え?」

「沙優が俺様が嫌なら…直す努力はする」


「「「………」」」


扇李のような、扇李じゃない台詞に私達は三人は唖然とした


直す?扇李が?


前に同じような会話をした時は、生まれ持ったもは無理だー!なんて言ったくせに


ど、どんな変わりようなの?


「扇李、熱でもあるの?寒いから?」


手を伸ばして頬に触れても熱くない。むしろ少しつめたいくらいだ


「熱などない、それよりお前の手は冷たい」


ギュと手を握られ、擦るような仕草に少し手が温かくなって…それと同時に胸がキュンとなる



そんな様子を微笑ましい笑顔で院長様はみつめ、再びコートのフードをかぶった


「扇李」

「?」

「あなた、沙優を花嫁にしてから変わったわね」

「………」

「扇李のそんな愛しそうな顔、初めてみたわ」

「マリナ様…」

「沙優をよろしく」


「院長様っ」

「本当のことを言えば、沙優は幼く両親を亡くしたから沙優を大切にして幸せになって欲しかったの。でも、扇李はそれを出来ない気がしてたけど…扇李が沙優をみる瞳は本物ね?だから、これからずっと、沙優をよろしくお願いします」



頭を深々さげる院長様


院長様…そんなに私のことを…