前なら、真実を知りたかったけど
扇李が好きになった私はどうでもいい。だって、呉羽さんに私を渡したくなくて必死だったのが嬉しいんだ
嬉しくて思わずニヤリとしてしまい…そんな私をみて院長様も笑う
「その表情だと、沙優は扇李の傍にいられるのが心地いいみたいね」
「はい…」
「……」
「後悔してない?」
「今は、してないです」
「そう、なら良かったわ」
安心する院長様に扇李は院長様の手にある傘を受け取り、私の肩に手を置きながら再び傘をさした
「あ、ありがとう」
「いや…」
院長様の前でこんなことをされるのはなんだか照れてしまう
「もう、私の目の前でイチャイチャしないで?恥ずかしいじゃない…ね?サイ」
手をうちわのようにパタパタさせて、背後でことのなりゆきを見ていたサイさんが院長様に頷く
「全くです。少しは私達の目を気にしてください」
「気にしなければいいだろう」
「また、そんな俺様じゃ…沙優に逃げられちゃうわよ?」
試すような台詞に扇李は私の顔を覗きこむ
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