「泣き虫だな、お前は」
「……っ」
泣き虫だなんて…そんなの扇李のせいじゃん…
私が涙を流す理由はほとんどが扇李のせいなんだから
だけど、私はそんな言葉より私を見つめる彼の表情が優し過ぎて
「…扇李っ」
ギュとその胸に引かれるように飛び込むとガサッと傘が雪の上に落ち、同時に扇李は私を強く抱きしめた
「っ」
扇李の体温を身体で感じる。暖かくて、いい香りのする扇李
私は人間界に留まらなくちゃいけないのに…やっぱり扇李に抱きしめられると"離れたくない"って気持ちが強くなる
本当に私には居場所なんてないんだ…弥生おばさんのことでそれは痛いほど感じた
やっぱりわたしは…
「扇李っ」
「…?」
背中を撫でる扇李の身体を押して震える声で言葉を出す
「わたし、やっぱり…扇李の傍にいたいよ」
「…」
涙を拭いて、少し扇李を見上げれば真っ直ぐな瞳に私がうつった
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