「え…扇李…?」
私の瞳にうつる彼の姿が信じられなくて…流れた涙も自然にとまってしまう
なんで?なんで、扇李がいるの?
そんな単純な疑問を浮かべる私に扇李はため息をはきながら口を開く
「泣き虫だな」
「……ぇ?」
「数十年ぶりに人間界に来て…独りぼっちになった気分なんだろう?」
「……っ」
な、なんで…わかるの?
私に触れてないくせに、心を読まれているみたいだ…
それが不覚にも私を理解してくれるみたいで…
「そ、んなことっ」
止まった涙が再び流れ、扇李に見えないように顔を背ければ…
「沙優」
「…っ」
小さく名前を呼ばれてしまい、視線だけ再び扇李にむけると傘を片手に持ちもう片方を広げて…
「おいで」
「…っ」
"来い"じゃなくて、目を細めながら囁く扇李
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