「そうだ!あなた!ちょっと待ってて!」
そう言い、急いで店の中に入り白い袋を抱えて私の前に立つなりそれをそっと差し出して来た
「これ、沙優ちゃんに渡してくれる?」
「…?」
「沙優ちゃんが、いつ来てもいいようにね…1日も欠かさずこれを冷蔵庫に入れてたの」
そう言い、弥生おばさんが服を開けるとそこには沢山の葡萄が入っていた
「…あっ」
「沙優ちゃん、葡萄が大好きだったから。特に巨峰がね?ふふ…皮をむくのはすっごく下手でいつも一生懸命にむいていたのを思い出すわ」
や、弥生おばさん…っ
ニコリと笑い、相変わらず優しい弥生おばさんに…
「…っ」
ポタッと涙がこぼれる…
「え?ど、どうしたの?」
もう、抑えきれない感情に涙が止まらなくて…
「ご、ごめんっ…な、さいっ」
差し出された葡萄を手にすることなく、私は傘を投げ捨ててその場から走りだした…
「お…お嬢ちゃん!」
叫ぶような声にもう止まることなんて出来なくてただ、私は思うがまま冷たい外を走り続けた―…
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