「扇李はとことん君には冷たいんだな」
不意に出たのはそんな言葉で、彼の台詞に私は頷いた
「まぁ…もう慣れました」
「それは慣れとかの問題じゃない、なんか君たちって…じれったいな」
バンッ!と本を閉じて乱暴に本棚に戻す
「扇李も扇李で、いつまで縛られてるんだか」
何が言いたいのか、ぶつぶつ呟き、はぁっと深いため息をはきながら私の髪を一束掴みクルクルと回す
「それぞの界の王はさ、みんな様々だけど色々な思いに縛られてる、守るべきものが多すぎて辛く苦しい思いも、紫音(しおん)や近衛、勿論扇李も」
「だから、それに縛られすぎて…じれったい扇李がムカつくわ…あんなに強気だった扇李はどこに行ったんだか」
クルクル回していた手を私の肩に回すなり、呉羽さんの唇が耳元を掠める
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